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新美術新聞2010年5月1日・11日合併号にインタビュー記事を掲載して頂きました。

新美術新聞2010年5月号・原太一の記事
新美術新聞2010年5月号・原太一の記事

一大イベント、アートフェア東京2010が終わりほっとしています。

アトリエに新美術新聞の窪田さん、坂場さんという記者さん達が訪ねて来て下さり、記事を書いて頂きました。こんなことは初めてなので感激!

以下は記事を転載したものです。

 

フェイス21世紀 135

町と乗物、キャラクター、密度にあこがれ 

4月6日、自宅アトリエにて

 

 想像上の町やタワー、擬人化された犬たち、船や戦車の上に増殖する建物群、カラフルで厭味のないファンタジーが画面を賑やかに覆う。

 4月始めのアートフェア東京・椿近代画廊ブースでは、くの字型の壁一面に想像の翼が大きく羽根を開いた。一枚一枚異なる色相をもつ背景に、動物や乗り物など様々なモチーフが所狭しと躍動する。「町と乗り物、キャラクターのある絵」を主軸とし、空想を膨らませる前向きな作風だ。

 収集した様々なモチーフから着想を得る事も多く、それを変形させたり組み替え、付け足しして想像を拡大させる。描き込みの多い作品の「密度」にあこがれるという。幼い頃、家族との外出の際、紙とペンを持たせたら大人しくなり、気付いたらごちゃごちゃっとした絵を描いていたそう。

 父は抽象画家の原大介、母も絵を描く。自宅で父の絵画教室を手伝い、初心者や子供のクラスを担当する。広い教室の一画で制作中、想いが入り過ぎると「離れて見てみろよ、全体像を見ろ」と父からの助言が入る。ありがたい忠告に何度も助けられた。

 アトリエの書棚には『地球生活記』『宇宙開発』『のりもののしくみ大図鑑』など、作品との関連本が立ち並び、据え付けられた棚には一見ガラクタにも見えるモチーフが所狭しと横たわる。ファイナルファンタジーの作画を「超カッコイイ」と素直に感じ、電車に乗っている時がアイデアの宝庫、思い付いた構想は即携帯にメモを取る世代である。

 アートフェアではいろいろな意見をもらい、他作家との比較からも、「今後は大画面に町を描き、大きめに人間を描く事も試してみたい。そしてドバイタワーを超える高い塔を描きたい。また犬シリーズも充実させたい」と次の目標を掲げる。(窪田元彦)」

新美術新聞2010年5月合併号、No.1215