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父とのニューヨークの思い出

二年ほど前、「ザ・コンテスト・イン・ニューヨーク」に画家である父、原大介と参加しました。

 

二人とも同じ展示やコンクールに出したことなど無かったのですが、父の抽象画は海外にも通用すると思い「参加してみようぜ!」と半ば強引なノリで誘いました。父も若いころ訪れたSOHOにもう一度行けたら嬉しいとのこと、初の記念すべき同時出品となりました。

 

一次審査は両名とも無事に通過、入選し、ニューヨークのSOHO地区にあるアショカ・ジェーン・ギャラリーに作品を展示してもらえることになりました。

海外の展示は騙されることが多いというので、この目で見るまでは不安が残っていたのですが、ちゃんとした画廊でホッとしたのを覚えています。

(プロジェクト主催の森川さんは、長年ニューヨークのアートシーンに関わって来た確かなアートプロデューサー、そしてアーティストでした)

 

グランプリを決める二次審査は、審査員の方と一般のお客さんの票を集めた結果、幸運にも私の作品をグランプリに選んで頂けることになりました。それは信じられないような思いでした。

 

一方、父の作品はコンテストの会期中、なんと4枚の作品すべてが売れてしまいました。そうなったのは彼の作品だけです。名も顔も知らない異国の作家の絵を、アートの本場で目の肥えたニューヨーカーが購入してくれたことは作品が国境を越えた瞬間であり、とても嬉しく思いました。父にとっても、私にとっても本当に実りのある体験でした。

 

コロナが終息したら、再びニューヨークへ行ってみたいなぁ、、

 

※ New York Art Wave Project主催、NPO法人デザART後援のコンクールです。入選作品はニューヨークの画廊に展示してもらうことができ、またグランプリを獲得すると個展を開催できるというものでした。名称が似ていて紛らわしく、よく間違われてしまうのですが、日動画廊主催のコンクール「昭和会展」のニューヨーク賞とは別のコンクールです。

アショカ・ジェーン・ギャラリーの前にて撮影。父の原大介。
アショカ・ジェーン・ギャラリーの前にて撮影。父の原大介。
作品の前でお客様と話す父、原大介。
作品の前でお客様と話す父、原大介。